レーザーパワーを正確に測定するための7つのシンプルステップ

どうやったらレーザーパワーメータで最高精度の測定を実現できるかお悩みですか?それともレーザーのエキスパートと同じようにパワー測定を実行する方法について、シンプルで段階的な説明をお求めですか?

もう心配はご無用です!このクイックガイドでは、Gentec-EOサーマルレーザーパワーメータで精密にレーザーパワーを測定する方法について正確に説明しています。次のステップに従ってください。代わりにフォトダイオード検出器をお持ちの場合もご心配は無用です。別のブログでこの件について投稿する予定です。

ステップ1 – レーザーを起動し、パワー測定を開始する前に安定していることを確認してください(20~30分)

パワー測定前にレーザーが安定点に到達するまで待つ必要があります。これには通常20~30分を要します。なぜこれが必要なのでしょうか?レーザーは時間が経過するにつれて環境との均衡状態に達するため、光学部品の特性が変化する傾向にあります。このためそのポイントに達するまではレーザーを使用するべきではありません。

下図から分かる通り、パワー出力は自然に減少します。これが連続して検査した二つの検出器の値が異なっている理由の説明となり得ます。

 measure laser power chart 1

ステップ2 - 検出器をその仕様内で使用していることを確認します

いずれかのレーザーといずれかのレーザーパワー検出器を自由に組み合わせられるわけではありません。各検出器にはそれぞれ独自の仕様があり、正確な測定を実現するためには、ご利用のレーザーの仕様に最も適したものを使用する必要があります。最もよくみられる仕様として、平均パワー、パワー密度、エネルギー、エネルギー密度、繰り返し率などがあります。

レーザーパワー検出器の選択について最も簡単に検証するには、当社の製品ファインダーツールをご利用いただけます。またはGentec-EO担当者までお気軽にお問い合わせください。喜んでお手伝いいたします。

アドバイス不要という方は次のポイントにお進みください。それでも安全策をとり操作ビームを拡大したいとお考えのはずです!

ステップ3 - ビームサイズが光学的開口の40%~60%であることを確認します

これは熱が完全に吸収されパワーメータに伝達されることを確認するための最適な方法です。アブソーバの裏にあるセンサーは大きくて対称であるため、開口エリア全体を使用します!ビームが小さすぎる場合、測定プロセス中に検出器が損傷を受ける可能性が高くなります。

不確かな場合はこのグラフを参照してください:

how to measure laser power with your Gentec-EO detector - chart 2

上のグラフはHタイプアブソーバのみに適用されます。他のアブソーバについての詳細は該当するユーザーマニュアルを参照してください。

ステップ4 - レーザーオン:GENTEC-EOレーザーパワー検出器を温めます(2分)

ここでは熱伝導を測定することを念頭に置くと(パワー検出器用)、検出器と周囲条件で温度が異なれば、測定に悪影響を与えることがご想像いただけると思います。言い換えれば、パワー検出器は常時熱を伝達しますが、ヘッドが周囲環境と異なる温度の場合はより多くの熱を伝達します。

この問題を解決するには温めることが最適となります。検出器を温める時間は2分で十分です。

エキスパートヒント:最大平均パワーが30 Wなどの小型パワーヘッドの場合、このステップは1分で実行できます。

ステップ5 - レーザーオフ:レーザービームを遮断します(2分)

レーザービームを遮断してヘッドの温度均衡を達成します。サーマルディスクがケーシングに熱を伝達、あるいはファンや通常の自然な速度で水冷却を行います。レーザーに露光している場合は同じ速度で熱を伝達します。2分、または30 W未満対応のヘッドは1分で十分です。

エキスパートヒント:パワーメータにスタンドが付いているのにはその理由があります。パワーメータに水冷やファン冷却がない場合でも、検出器周辺には空気が自由に出入りし、対流によって装置を冷却できるスペースが必要となります。

ファン冷却式ヘッドをご利用の場合は、空気が流入できるよう、検出器の後ろにいくらかスペースがあることが望ましくなります。

ステップ6 - 「ゼロ」にします

モニターのゼロ化機能で、各自にとっての「ゼロ」レベルを定義します。これはレーザーが使用されておらず、温度環境が安定している場合に実行します。

ここでの主な注意点は二つあります。      

  1. レーザーを何で遮断するかにご注意ください。人間の手はレーザーシャッターではありません。
  2. 「ゼロ」を過度に実行することはできません。測定が少しずれていたり、暑くなってきて温度の安定性に疑問を感じたら、ゼロ化プロセスを繰り返してください!バーンインなどの長時間テストでは、レーザーを遮断して温度変化を考慮した上で4時間ごとにゼロを実行することを推奨します。

ステップ7 - レーザーオン:GENTEC-EOレーザーパワー検出器を温めます(1分)

これは予測がオンになった検出器では大幅に時間が短縮され、UP19K-15S-H5-D0などの小型検出器の場合は1秒で正確な測定が得られます。予測は検出器のエレクトロニクスで実行される同調で、先の測定値を予測します。これはほとんどの環境において信頼でき、装置の立ち上がり時間を大幅に短縮します。

1分後には確実にパワーが安定するため、1分以上は待つことをお勧めします。Gentec-EOと同様にご利用のパワーメータのキャリブレーションを実施したい場合、ご利用のパワーメータのキャリブレーションにあたり、始めるまでにレーザーの下で最大12分待つ可能性があります。  

安定性を向上させるため、動作平均時間を5秒に設定し、長時間のバーンインなどのテスト実行を改善することができます。

レーザーパワーを測定する場合にダブルチェックすべきこと

よく目にする間違いに、波長補正率と、1064 nm以外の波長での使用方法に関することがあげられます。検出器には1064 nmレーザーに有効なNISTトレーサブル感度値があることにご注意ください。ご利用のレーザーが検出器の較正範囲のどこか他にあるけれども、1064 nmではない場合、独自の波長補正率が検出器のメモリチップに保存され、これらの測定を行う際に考慮する必要があります。検出器と合わせてGentec-EOモニターをご利用の場合、インターフェースでレーザーの動作波長を選択することが必要なプロセスとなります。

またゼロ化プロセスが適切に実行されたかどうかを確認することが常に有益です。室内温度はレーザーが加熱されると上昇する場合があります。測定は連続して類似している必要があります。当社のパワーメータの繰り返し率は±0.5%であるため、一つの測定セッションと別のセッションとの差がこれよりも高い場合は検証が必要となります。レーザーは時間がたっても安定していますか?

以上です!これで簡単ないくつかのステップでエキスパートと同じようにレーザーパワーを測定する方法を学びました。ご不明な点があればGentec-EOの担当者、またはカスタマーサポートまでお気軽にお問い合わせください。


Gentec-EO
Gentec Electro-Opticsはレーザービームおよびテラヘルツ光源測定・分析を専門としています。50年にわたってレーザー市場における最先端技術を開発し、他に類を見ない革新的な実績を積み上げながら、Gentec-EOはレーザービーム測定分野のエキスパートへと発展しました。 工場から病院、研究所、リサーチセンターまであらゆる種類のレーザー用途に対し、Gentec-EOは幅広い標準製品およびカスタマイズソリューションを取り揃え、現在と未来に対応する準備を整えています。
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